アリルinエルネア記

エルネア王国の日々プレイ日記

13,エナの子コンテスト

今年も星の日がやってきた。

一日中夜のように暗くて、白いワフ虫が空を飛び交うとても幻想的な日だ。

恋人たちにとって、絶好のデート日和…らしい。

もちろん前日にちゃんと約束をしておいたけど。

 

この日は朝から子どもたちがお面をつけて大人からお菓子をもらう行事があって、ルルーディさんは大勢の子どもに囲まれてしまって近づけない。

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後でゆっくり話そうね、と身振りで伝えて、街角広場で待つことにした。

 

広場のベンチに座っていると、慌てて王立闘技場に向かう彼女が見えた。

もうすぐ約束の時間なのに何があったんだろ?

 

闘技場に入ってみると、エナの子コンテストが始まったところだった。

紹介される出場者の中に、彼女の姿があった。

人気者だとは思ってたけど、エナの子コンテストにエントリーされているとは思ってなかった。


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会場にいる一人一人に投票用紙が配られた。

もちろん私にとってのエナの子はルルーディさんただ一人だけど。

もし本当にエナの子に選ばれたら、ますます群がる奴らが増えるんじゃないか心配だよ。

今日は別の人に入れておこう。


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選ばれたのは全く知らない女性で、ルルーディさんは少し残念そうにしていた。

 

それから急いでデートの待ち合わせ場所に戻り、彼女がくるのを待っていた。

闘技場から広場に入ってきた姿が見えた。

だけどちっとも近づけない。

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コンテストの会場から出てきた人混みと、お菓子をもらいにきた子どもたちと、なぜかフォモスまで現れて広場は大混雑だった。

 

やっと子どもたちから解放されて、彼女が駆け寄ってきた。

いつものようにデートに出かけて、いつものように家まで送る。


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リビングで少し話をしていたら、何か欲しいものはないかって聞かれた。

なんでそんなこと聞くのかよくわからないけど、今日は星の日だから森で虹色の花を探しに行きたいと思ってたんだ。


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そしたら、すぐに彼女から一輪の虹色の花を手渡された。

「探索の時に使ってね」

わざわざ私のために探してきてくれたの?

最近難しいダンジョンにチャレンジしてるの知ってたんだね。

 

ありがとう、大切にするよ。

でも強敵に出会っても、これはもったいなくて使えないかな。

 

12,誕生日を迎えて

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2度目のデートの時、ルルーディさんは薄いピンクの服を着て広場で待っていた。

ワ国の「さくら」って花の色だと教えてくれた。

うん可愛い。よく似合ってるね。

私のために着飾ってくれたのかと思うと、嬉しくて抱きしめたくなったけど、人目が多すぎるからちょっと我慢。


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今日のデートは終わり。

でも明日もまた会いたいから、すぐ次の約束をする。

 

朝から会いに行ってキスをして。

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昼にまたデートに出かけて。


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帰りは家まで送って行って…

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好きな人と触れあえる幸せを噛みしめる。

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それにしても、誰もいない家にすんなり入れてくれるなんて、よっぽど信用されてるのか、それとも男として意識されてないのか…

ルルーディさん、もう少し警戒心持ってくれないと、こっちの理性がもたないんだけど。

 

今日は私の6歳の誕生日、デートはいつもの滝じゃなくてウィアラさんの酒場で食事をする事にした。

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本当に、こんなに誰かを好きになるなんて、思ってもいなかったなぁ。

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ウィアラさんのおすすめ料理をお願いする。

こんなふうにお喋りしながら食事をしていると、家族になったみたいだね。


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ルルーディさんの料理か…

そのうち差し入れしてもらえるかな?

大丈夫、どんな料理でもちゃんと食べるから。

 

 

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また明日、デートの約束をする。

何度デートしても飽きることがなくて、いつまでも一緒にいたいんだ。

 

もう6歳になったんだから、そろそろ考えてもいいんだろうか…結婚。

11,初めてのデート

恋人ができた。

なんだかそれだけで周りが明るくなったような気分だ。

なんて事ない普通の会話でさえ幸せだ。

釣りだって探索だって、一緒にいられるだけで満足だった。

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「それで、デートはどこに行ったんだ?」

父さんの一言ではっと気がついた。

そう言えば、まだデートに誘ってもいなかった!

 

恋人といえばデートだよね。

昼刻に街角広場で待ち合わせて、2人で出かけるやつ。

子どもの頃はなんて恥ずかしいんだって思ってたけど、今なら気持ちがわかるぞ。

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さっそく誘ってみた。

返事はOK。

彼女も誘って欲しかったのかもしれない。

 

翌日、朝から楽しみで落ち着かなくて、昼まで待ちきれなかった。

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昼には会えるのに、待ちきれず朝から会いに行った。

気持ちが先走って、ついキスをしてしまったのは調子に乗り過ぎたかも…

 

いよいよ昼刻。

時間ピッタリに街角広場に到着して彼女を待つ。

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姿を見つけてすぐに駆け寄り、デートに出かける。

行き先は「水源の滝」にした。

目的地まで遠いから長い間一緒にいられるし、何より人が少なくて邪魔をされにくいだろう。

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本当に毎日が楽しい。


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滝のエネルギーをもらったからなのか、普段は言えないような言葉が自然に出てくる。

恥じらう彼女は滝の妖精みたいに可愛い…とか、さすがに言えなかったけど。


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楽しい時間は過ぎるのがあっという間だ。

そろそろ帰らなきゃ行けないので、2人で次のデートの行き先を考えた。


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彼女の行きたいところは神殿のアトリウムか。

神殿って聞いて、頭の中にウエディングドレスを着た彼女を想像してしまった。

まだ付き合いはじめたばかりなのに、さすがに早過ぎるでしょ。

 

でも、早く彼女の全てを独占してしまいたいって気持ちは強くなっていくばかりだ。


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もう少しだけそばにいたくて、彼女を採掘に誘った。

いつかこのドルムで、山岳兵になった彼女と肩を並べて仕事が出来たら…

そんな日が、早く来るといいのに。

 

10,告白、そして…

収穫祭の日に告白を決意したんだけど、翌日はなんだか慌ただしくて会いに行くだけで終わってしまった。


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朝から父さんがやたらと採取や探索に誘ってきて、女性の扱い方とかお付き合いの心得とか語り出して、逃げ出すのが大変だったんだ。

 

父さんは昔っから結構モテたって言われてるから経験も豊富なんだろうけど…私にはとても真似できないことばかりだ。

 

その次の日は父さんに捕まる前に早くから抜け出し、ルルーディさんの元へ向かった。

 

彼女は庭で花の手入れをしていた。

このままここで、好きだって伝えてしまいたいけど、この国では幸運の塔で告白するのが一般的…なんだとか。


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彼女を誘って塔へ向かう。

心臓がドキドキして口から飛び出そうだったので、無言で歩き続けた。


「ジェフリー君、ちょっと待って…」

早く歩きすぎてついてこれなかったみたいで、彼女が私のグローブを引っ張った。

「あ!ごめん!もう少しゆっくり歩くよ」

顔がポムの実みたいに真っ赤になっている気がした。


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早朝の塔は、誰もいなくて静かだった。

思い切って、気持ちを伝えた。

 

彼女の返事は、最高に嬉しいものだった。

焦りまくる私に比べて、彼女のが余裕ありそうなのが少し悔しかった。


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これで2人は恋人になったってことだよね?

なんだか実感がないや。

 

そういえば昨日父さんがなんか言ってたっけ。

恋人なら家まで送って行きなさいとか。

「家まで送ろうか? その…もう少し話していたいんだけど…」

「ありがとう、じゃあ…お家まで一緒に…」

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さっきとは違う、ゆっくりとした歩調で。

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子どもの頃からよく遊びに通った郊外の邸宅へ。
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家の中は静まりかえっていた。

みんな仕事に出かけているんだろう。

つまり、今この家には、2人きり…

これ、いける?

 

彼女の方をじっと見つめる。

そして、そっと背中に手を回す。

拒む様子は…ない。

軽く抱きしめ、彼女の唇に自分の唇を重ねる。
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「好きだよ…」

自分でも驚くほどの行動力だった。

 

しばらくそのまま抱きしめ続けたのだけど、ちょっと力が入りすぎたみたいでもがきはじめた。

ちょっと調子に乗りすぎたかな…手を離し、彼女を解放した。

名残惜しいけど、これ以上ここにいたら止まらなくなりそうだ。

 

「それじゃぁ…また明日…」

「う、うん、また明日…」

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お互いに顔を真っ赤にしながら挨拶をして外に出た。

 

「恋人か…」

しばらくニヤニヤしながら、踊り出しそうなテンションで歩いていたので、きっと周りからは変な奴に見えてただろうな。

9,彼女への気持ちは

ルルーディさんと仲良くなり、これからお互いの事を知っていきたい思ってるんだけど。

 

朝一番に誘いに行かないと他の奴らに先を越されて連れ出されてしまう。

 

朝早いのは苦手だけど、頑張って会いに行ってなんとか釣りに誘う事に成功した。

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なんか上手いこと会話しないと…
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「ル、ルルーディさん、釣りは好き?」

「うん、釣り好きだよ。今度の収穫祭では釣り名人目指したいんだ。」

 

話してる間にも大物をどんどん釣り上げていく。

なるほど、収穫祭の日は釣りに誘ってみよう。。

 

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山岳リーグの開幕式、彼女が観戦に来ていた。

そういえば山岳ファンって言ってたっけ。

私が兵隊長になってリーグで戦う時も応援に来てもらえるかな…

それには父さんに認められて引き継ぎをしてもらわないと。

よし、探索で鍛えにいこう!

 


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収穫祭の日、釣りに誘うのを忘れて採取に出かけてしまった。

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慌てて誘いなおしたんだけど、断ることもなくついてきてくれてた。

ちょっといい感じかも?


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釣り場はすでに混雑していた。

 

「ここじゃ大物は釣れないかもしれないね。ごめん、もっと早く誘えばよかった。」

 

「でも今日一日かけて釣ればいいんだから、焦ることないよね。」

謝る私に優しい言葉をかけてくれる。

 

釣りをしている間にも男子から声がかかる。

他の誰かと出かけてしまうんじゃないかと心配で釣りどころじゃなかった。

 

「ちょっと他の場所で釣ってくるね。」

そう言って彼女は1人でどこかに行ってしまった。

もしかして他の奴と仲良く釣りしてるんじゃ…

そんな事ばかり考えてしまう。

 

こんなふうにモヤモヤ考えてるくらいなら、さっさと告白してしまえばいいんじゃないか?

 

もっとよく知ってからとか、まだ大人になったばかりだからとか、言い訳を並べたって好きな気持ちは抑えようがないだろうし。

 

うん、決めた。

明日になったらこの気持ちを伝えよう。

 

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収穫祭の結果、ルルーディさんは大物のキングマトラを釣ったけれど一歩及ばず、彼女の伯母さんが優勝をさらっていったそうだ。

8,一緒に探索へ

「一緒に探索に行かない?父さんから特別なダンジョンに入れる鍵をもらったの♪」

特別なダンジョン?

どんなところだろう。

 

アスティオさんはちょっと不思議な人で、普通の国民が知らない場所に出入りしている。

元々遠い国から移民してきたご先祖様の遺品だって教えてもらったっけ。

 

ルルーディさん1人では危なっかしいからついていく事にした。

 

入り口に着くと、なぜか父さんが待っていた。

「ここは前にアスティオと入ったことがあるから、案内を頼まれたんだ。」

なんだ…私だけじゃなかったのか。

 

ダンジョンに入ると、薄暗くて狭い不気味な道が続いていた。

そして遭遇するモンスターは普通のダンジョンで出没するものより凶暴で強かった。

 

父さんが慣れた様子で軽く蹴散らしていく。

私は後ろからついて行くので精一杯だ。

ルルーディさんは大丈夫だろうか?

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彼女は見たこともない武器で、父さんの討ち漏らしたモンスターを片付けて行く。

もしかして、私より強い?

 

早くも2階で息が上がってきた。

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5階の奥の方で、ひときわ強いモンスターが現れた。

私はただ防御するしかなく、父さんとルルーディさんが2人で討伐する姿を見守っていた。

 

「無理せず帰ってもいいんだぞ?」

たぶんこれ以上ついていっても足手まといにしかならないだろう。

父さんの勧めるままに、私は1人先に帰還する事にした。
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2人が探索を終えるのを外で待ち構え、ルルーディさんの無事を確認した。

ビセンテさんが一緒だったから、頑張って18階まで進めたわ♫」

18階⁉︎

悔しいけど、今の私の実力ではとてもついていけないや。

 

すっかり日も暮れたので、父さんと一緒に帰る事になった。

「ルルーディは強いなぁ。さすが子どもの頃からアスティオに鍛えられてきただけはある。一緒にいるのは大変だぞ?」

ニヤリ、と笑いながら言う。

 

そんなこと、言われなくてもわかってるよ。

今のままじゃ彼女を守るなんてできない。

せめて隣に並んで戦えるぐらい鍛えないと。

 

それにしても…戦う彼女は華麗だったなぁ…

 

7,友だちから仲良しへ

昨日、家に帰ってじっくり考えた。

私はルルーディさんのこと、どう思っているのか。

 

他の女の子より話しやすいし、同じ龍騎士を目指す仲間でもある。

それに…可愛い。

フワフワしたその頬に、つい触れたくなる。

 

つまり、結構好きなんじゃないかな。

 

もっともっと彼女のことが知りたい、と思う。

なら、まずは仲良くなってもっと一緒に行動してみないと。

 

気合を入れて、また朝から彼女の元へ向かう。

導きの蝶で探してみると、カルネ皇帝の橋あたりにいるみたいだ。

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到着すると、やっぱり彼女のそばには同級生の奴らが集まっていた。

 

なんとなく出遅れた気分だ。

でも、負けていられない。

 

大きな瞳で見つめられて緊張してしまう前に、申し込んでしまおう。

 

「この間は断っちゃったけど…私と仲良しになってくれる?」

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今日こそは、と一生懸命練習してきた甲斐もあり、なんとか仲良しになる事に成功した。

 

うん、今日はこれで精一杯だ。

また明日、お互いのことをよく知るところから始めよう。

 

そしてその先は…

それはもうちょっと、考えないでおこう。

また緊張しちゃうといけないから。