9,彼女への気持ちは
ルルーディさんと仲良くなり、これからお互いの事を知っていきたい思ってるんだけど。
朝一番に誘いに行かないと他の奴らに先を越されて連れ出されてしまう。
朝早いのは苦手だけど、頑張って会いに行ってなんとか釣りに誘う事に成功した。
なんか上手いこと会話しないと…
「ル、ルルーディさん、釣りは好き?」
「うん、釣り好きだよ。今度の収穫祭では釣り名人目指したいんだ。」
話してる間にも大物をどんどん釣り上げていく。
なるほど、収穫祭の日は釣りに誘ってみよう。。
山岳リーグの開幕式、彼女が観戦に来ていた。
そういえば山岳ファンって言ってたっけ。
私が兵隊長になってリーグで戦う時も応援に来てもらえるかな…
それには父さんに認められて引き継ぎをしてもらわないと。
よし、探索で鍛えにいこう!
収穫祭の日、釣りに誘うのを忘れて採取に出かけてしまった。
慌てて誘いなおしたんだけど、断ることもなくついてきてくれてた。
ちょっといい感じかも?
釣り場はすでに混雑していた。
「ここじゃ大物は釣れないかもしれないね。ごめん、もっと早く誘えばよかった。」
「でも今日一日かけて釣ればいいんだから、焦ることないよね。」
謝る私に優しい言葉をかけてくれる。
釣りをしている間にも男子から声がかかる。
他の誰かと出かけてしまうんじゃないかと心配で釣りどころじゃなかった。
「ちょっと他の場所で釣ってくるね。」
そう言って彼女は1人でどこかに行ってしまった。
もしかして他の奴と仲良く釣りしてるんじゃ…
そんな事ばかり考えてしまう。
こんなふうにモヤモヤ考えてるくらいなら、さっさと告白してしまえばいいんじゃないか?
もっとよく知ってからとか、まだ大人になったばかりだからとか、言い訳を並べたって好きな気持ちは抑えようがないだろうし。
うん、決めた。
明日になったらこの気持ちを伝えよう。
収穫祭の結果、ルルーディさんは大物のキングマトラを釣ったけれど一歩及ばず、彼女の伯母さんが優勝をさらっていったそうだ。